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Jリーグのスタジアムの収益拡大を阻むボトルネックとは?

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スタジアム所有・管理

世界のサッカーの中心であるヨーロッパではスタジアム事業で多くの収益を上げることがクラブ経営にとって当たり前になっています。一方で、Jリーグではスタジアム事業で多くの収益を上げているとは言えない現状があります。

今回はJリーグのスタジアムの所有者と管理者を見ていくことにより、Jリーグのスタジアムの収益拡大を阻むものは何かを考えていきます。






Jリーグのスタジアムの所有者は?

最初に、Jリーグのスタジアムの所有者を見ていきます。

スタジアム事業を考える上で、まず最初に把握するべきものはスタジアムの所有者です。クラブ所有のスタジアムであれば、スタジアム運営の自由度が増し、スタジアムを活用した様々な施策を実行し、収益に繋げることができるためです。

J1のホームスタジアムの所有者は表1となります。

Jリーグスタジアム所有者

表1と見ると、J1の18クラブのうちでクラブ所有のスタジアムは柏レイソルのホームスタジアムである「三協フロンテア柏スタジアム」だけであり、他のホームスタジアムは全て地方自治体所有であることが分かります。

欧州のビッククラブのスタジアムの多くがクラブ所有であり、そのことを前提にスタジアム事業を展開し収益を上げていますが、地方自治体所有のスタジアムがほとんどであるJリーグのクラブは単純に同じモデルを展開できないことが分かります。

Jリーグのスタジアムの管理者は?

続いて、Jリーグのスタジアムの管理者を見ていきます。

スタジアム事業を考える上で、スタジアムの所有者の次に把握するべきものはスタジアムの管理者です。スタジアムを所有していなくても、スタジアムの管理者となることで、スタジアム運営の自由度を高め、収益に繋がる施策を展開し易くなるためです。

J1のホームスタジアムのスタジアム管理者を記載したものが表2となります。表2ではスタジアム管理者の特性について管理タイプとして分類分けしています。

Jリーグスタジアム管理者

Jリーグスタジアム管理者

表2を見ると、J1の18クラブのうちで、Jクラブがスタジアム管理者として関与しているのは6クラブだけであることが分かります。さらに、Jクラブ単独でのスタジアム管理者となると、鹿島アントラーズ、柏レイソル、ガンバ大阪、ヴィッセル神戸の僅か4クラブだけであることが分かります。

Jリーグの多くのクラブにとって、スタジアムは所有するものでも、管理するものでもなく、ただ利用するものであることが分かります。Jリーグのクラブには、そもそもスタジアム事業で収益を上げるための環境が整っていない現状が見えてきます。






Jリーグのスタジアムの収益拡大を阻むボトルネックとは?

スタジアムの所有者と管理者を見てきましたが、多数のJリーグのクラブはスタジアムの所有者でもなければ、管理者でもないことが分かりました。

それでは、スタジアムの所有者と管理者は誰なのか?

スタジアム所有者はほぼ地方自治体です。そして、スタジアム管理者として多数の名を連ねているのは公益財団法人です。

組み合わせとしては、スタジアムの所有者が地方自治体であり、スタジアムの管理者が公益財団法人である組み合わせが多いという現状があります。

この現状は、多くのJクラブにとって、スタジアムを利用する時に2段階の制約を受けることを意味します。

第1段階は所有者である地方自治体からの制約。そして、第2段階はスタジアム管理者である公益財団法人からの制約です。

そして、この2段階の制約こそが、Jクラブのスタジアム事業で収益拡大を阻むボトルネックです。

スタジアム事業で収益を拡大するためには、大胆な施策が必要となりますし、大きな投資も必要となります。また時には大きな利益を生み出すためにリスクを取ることも必要となります。まさに経営のセンスが問われます。

この経営センスはスタジアム事業の決定権を持つ所有者と管理者にも求められます。

ただ、残念ながら地方自治体と公益財団法人にはスタジアム事業における経営センスは期待できないです。収益をあげることを目的とした組織ではなく、収益を考えられる人材がいないためです。

Jクラブにとって、スタジアム事業で収益を拡大していく未来を実現するための近道となる第一歩は、公益財団法人の既得権益となっているスタジアム管理者の座を奪うことかもしれません。

サッカー専用スタジアム構想が各地で盛り上がっていますが、Jクラブにとって本当に重要なのはそのスタジアムの所有者、管理者となることであることを認識しておく必要があります。

まとめ

・クラブ所有のスタジアムは柏レイソルのホームスタジアムである「三協フロンテア柏スタジアム」だけであり、他のホームスタジアムは全て地方自治体所有である

・Jクラブ単独でのスタジアム管理者は、鹿島アントラーズ、柏レイソル、ガンバ大阪、ヴィッセル神戸の僅か4クラブだけである

・スタジアム所有者である地方自治体と管理者である公益財団法人の2段階の制約がJクラブのスタジアム事業での収益拡大を阻むボトルネックである






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