サッカー専用スタジアムの収容人数は多いと思いますか?それとも少ないと思いますか?
以前の記事で各J1チームのホームスタジアムをスタジアムタイプ別に以下の4つに分類しました。
(1)サッカー専用スタジアム
(2)サッカー・ラグビー等球技専用スタジアム
(3)陸上競技場型スタジアム
(4)サッカー・野球用スタジアム
サッカー専用スタジアムを利用しているJリーグのチームは? ~Jリーグのスタジアムタイプを分析する~
今回は4つのスタジアムタイプ別の収容人数を分析したいと思います。
最初に参考としてヨーロッパのスタジアムの収容人数を見ていきます。
ヨーロッパを代表する以下の3つのスタジアムの収容人数はどれくらいだと思いますか?
①カンプ・ノウ(Camp Nou)
②ウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)
③サンティアゴ・ベルナベウ(Santiago Bernabéu)
①カンプ・ノウは世界的な人気を誇るクラブであるFCバルセロナのホームスタジアムであり、ヨーロッパ第1位の大きさのサッカー専用スタジアムです。収容人数は99,786人となります。
②ウェンブリー・スタジアムはサッカー発祥の地であるイングランドにおいて、「サッカーの聖地」と呼ばれるスタジアムです。旧ウェンブリー・スタジアムを解体して、同じ場所に建設したものが現在のウェンブリー・スタジアムです。収容人数は90,000人です。
ウェンブリー・スタジアムはフットボール専用スタジアムです。但し、そのフットボールにはラグビーも含みます。
③サンティアゴ・ベルナベウは世界一のクラブとも呼ばれるレアル・マドリードのホームスタジアムです。マドリードのオフィス街にあるサッカー専用スタジアムです。収容人数は81,044人となります。
Jチームのホームスタジアムの収容人数のランキングは?
まずは、J1チームのホームスタジアムの収容人数ランキングを見ていきます。
ランキングは表1となります。
横浜F・マリノスのホームスタジアムである日産スタジアムが72,327人で1位となり、次に浦和レッズのホームスタジアムであるさいたまスタジアム2002が63,700人で2位となります。
この両スタジアムは2002年の日韓ワールドカップの決勝と準決勝の舞台ですので、順当な結果といえます。
スタジアムタイプ別の収容人数は?
次に、先ほどの収容人数ランキングにスタジアムタイプの項目を追加します。
結果は表2となります。
表2を見ると、4つのスタジアムタイプの収容人数の分布が分かります。
サッカー専用スタジアムと陸上競技場型スタジアムはどちらの収容人数が多いのか?
最後に、スタジアムタイプ別の平均収容人数を見ていきます。
スタジアムタイプ別の平均収容人数は表3となります。
表3より、サッカー専用スタジアムより陸上競技場型スタジアムの方が、平均収容人数が多いことが分かります。
サッカー専用スタジアムは、陸上競技で使用するトラックがないために、ピッチとスタンドが近いという特徴があります。
ピッチとスタンドの距離が近くなれば、必然的にピッチを囲むスタンドの円の直径の長さは短くなりますので、円の面積(=スタンドの大きさ)も小さくなります。
スタンドの大きさが小さくなりますので、当然に収容人数は少なくなると想定されますが、実際の収容人数も想定の通りで少ないという結論になっています。
今回はスタジアムタイプ別の収容人数に焦点を当てましたが、サッカーをビジネスの視点で捉えると、必ずしも収容人数が大きければ良いというわけではありません。
それは、収容人数が大きくてもその大きさに応じた観客数を確保できなければ、クラブの利益に結び付かないからです。
したがって、Jチームのクラブは敢えて収容人数が少ないスタジアムを選択することはあり得ます。
スタジアムタイプ別の平均収容人数において、サッカー・ラグビー等球技専用スタジアムが4位となっているのも、自分のクラブに合った収容人数を選択した結果とも考えられます。
収容人数と観客数の関係については、また別の機会に分析します。
まとめ
サッカー専用スタジアムの平均収容人数は陸上競技場型スタジアムの平均収容人数より少ない。
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