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Jリーグの観客動員数の推移で分かるサッカークラブの経営力!!

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今回は2017シーズンと2016シーズンの入場者数の推移を見ていきます。

Jリーグのクラブ経営にとって、入場者数は入場料収入に直結する数値となりますので、安定した収益を確保するためにも入場者数の推移を把握することは非常に重要です。

入場料収入に繋がるのはホームにおける主催試合ですので、リーグ戦、ルヴァンカップ、ACLの全てのホーム主催試合を対象に分析していきます。




 

ホーム全試合(リーグ戦+ルヴァン杯+ACL)“入場者数”の前年比“増加数”ランキング

2017シーズンと2016シーズンのホームの全ての主催試合の入場者数を比較します。

ホーム全試合(リーグ戦+ルヴァン杯+ACL)の入場者数の2017シーズンと2016シーズンを比較した前年比増加数ランキングは表1となります。表1は入場者数の前年比増加数が多い順です。入場者数は試合数にも影響されますので、表1には試合数の前年比増減も含めています。

1位はセレッソ大阪で、入場者数は14万9988人の増加です。2位のFC東京の増加数の4万954人と比べると約3.67倍の増加数となりますので、ダントツの1位です。

J2からJ1に昇格したことに加えて、リーグ戦の成績が好調だったことが大きな要因です。また、ルヴァンカップでも決勝まで進んでおり、ホーム主催試合を多く開催できたことも要因の一つです。

一方で最下位は浦和レッズで、入場者数は3万5818人減です。

リーグ戦で早々に優勝争いから脱落したことが大きな要因です。優勝したACLで多くの入場者を獲得しましたが、それでも優勝争いの主役を演じた2016年から大きく入場者数を減らす結果となっています。

 J1リーグ全体を見ていくと、2017シーズンの総入場者数は659万6754人となり、2016シーズンと比較して32万7450人の入場者数の増加を記録しています。

 Jリーグ全体の32万7450人の入場者数の増加の中の約46%はセレッソ大阪の増加分ですので、セレッソ大阪は2017シーズンのJ1リーグに大きな影響を与えたチームといえます。

 

ホーム全試合(リーグ戦+ルヴァン杯+ACL)“入場者数”の前年比“増加率”ランキング

2017シーズンと2016シーズンのホームの全ての主催試合の入場者数の増加率を見ていきます。

ホーム全試合(リーグ戦+ルヴァン杯+ACL)の入場者数の2017シーズンと2016シーズンを比較した前年比増加率ランキングは表2となります。表2は入場者数の前年比増加率が多い順です。

1位はセレッソ大阪で増加率は157.1%です。入場者の増加数でダンドツの1位であったセレッソ大阪ですが、増加率を見ると、前年と比較していかに多くの入場者を獲得したかが分かります。

セレッソ大阪の他にJ2からJ1に昇格した清水エスパルス、コンサドーレ札幌も増加率で上位に位置していますので、J1で戦うことによる入場者数への影響がいかに大きいかが分かります。

一方で最下位はサンフレッチェ広島です。増加率は90.91%ですので、平均入場者が約9%減少しています。2017シーズンは成績が振るわず常に下位の順位に落ち込んでいたことが大きな要因です。

J1リーグ全体を見ていくと、2017シーズンの増加率は105.22%です。DAZNとの放映権料契約により放映権料が大幅に増加したJリーグですが、DAZNとの契約1年目の入場者数には大きな成長は見えなかったといえます。




 

ホーム全試合(リーグ戦+ルヴァン杯+ACL)“平均入場者数”の前年比“増加数”ランキング

2017シーズンと2016シーズンのホームの全ての主催試合の平均入場者数を比較します。

ホーム全試合(リーグ戦+ルヴァン杯+ACL)の平均入場者数の2017シーズンと2016シーズンを比較した前年比増加数ランキングは表3となります。表3は平均入場者数の前年比増加数の多い順です。表3にはリーグ戦の順位も含めています。

1位はセレッソ大阪で、平均入場者数は5434人の増加です。2位はFC東京で2781人の増加、3位は清水エスパルスで2467人の増加となります。

特に注目すべきは2位のFC東京です。FC東京はリーグ戦において、前年の9位から2017シーズンは13位と大きく順位を落としており、ルヴァンカップにおいても、前年の準決勝敗退から2017シーズンは準々決勝敗退と後退しているにも関わらず、平均入場者数を大きく増やしています。

 勝負事の世界に絶対はないので、成績が振るわないことはあります。そのような環境下において、いかに入場者数を確保できるかはクラブ経営の底力が試される場面です。最終節の石川直宏選手の引退試合のプロデュースのように、成績が振るわない中で、サポーターの期待に応える施策を打ちながら集客を増やしたことは、FC東京の底力を示した結果といえます。

一方で最下位は浦和レッズで、平均入場者数は2828人の減少です。

リーグ戦の成績が振るわなかったことが、平均入場者数の減少の大きな要因ですが、FC東京のように、成績が悪い中でも前年度を上回る集客をするだけのクラブ経営の底力がなかった結果ともいえます。

J1リーグ全体を見ていくと、2017シーズンの平均入場者は682人の増加ですので、微増という結果に終わっています。

 

ホーム全試合(リーグ戦+ルヴァン杯+ACL)“平均入場者数”の前年比“増加率”ランキング

最後に2017シーズンと2016シーズンのホームの全ての主催試合の平均入場者数の増加率をみていきます。

ホーム全試合(リーグ戦+ルヴァン杯+ACL)の平均入場者数の2017シーズンと2016シーズンを比較した前年比増加率ランキングは表4となります。表4は平均入場者数の前年比増加率が多い順です。

1位はセレッソ大阪で平均入場者数の増加率は143.44%です。昨年度より毎試合の入場者が約1.43倍になっていますので、スタジアムの雰囲気を変えているはずです。

セレッソ大阪はチームの躍進をしっかりと入場者数にも繋げていますので、2017シーズンで一番成功したクラブといえます。

一方で最下位はベガルタ仙台です。増加率は88.88%ですので、平均入場者が約11%減少しています。ベガルタ仙台はリーグ戦の順位が前年と同じ順位であり、ルヴァンカップでは前年のグループリーグ敗退から、2017シーズンは準決勝進出と躍進したにも関わらず平均入場者数が減少していますので、集客に大きな課題を抱えていることが分かります。

J1リーグ全体を見ていくと、2017シーズンの平均入場者の増加率は約104%です。この4%の増加が誤差であるのか、それとも着実な前進であるのかは、2018シーズンの入場者数が教えてくれるはずです。

 

まとめ

・FC東京は年間の成績が振るわなかったにも関わらず、入場者数及び平均入場者数を増やしており、集客に関して、クラブ経営の底力を見せている。
・Jリーグ全体を見ていくと、入場者数の増加率は約105%、平均入場者の増加率は約104%と微増している。




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