今回は2016年の観戦者を対象に、Jリーグの各クラブの学生の入場者数を見ていきます。
学生(11歳-18歳)の入場者の割合が多いチームは?
最初に今回の分析では、Jリーグが発行している「Jリーグ スタジアム観戦者調査 2016 サマリーレポート」を使用します。
また、今回の分析における学生は「11歳~18歳」と定義します。
18歳を上限としているのは、日本の高等学校等の進学率は約98.5%ですので、18歳以下はほぼ学生とみなせるためです。
また、11歳を下限としているのは、サマリーレポートでは11歳未満のデータがないためです。
最初にJリーグの各クラブのリーグ戦におけるホームスタジアムの学生(11歳-18歳)の入場者数の割合を見ていきます。全体の入場者数に対する学生の入場者数の割合のランキングは以下の表1となります。
1位はサガン鳥栖、2位はアビスパ福岡となり、普段は目立つことのない九州の2チームが上位となっています。
リーグ戦の総入場者数ランキングでは、鳥栖は14位、福岡は13位となり観客動員に成功しているとは言えない状況ですが、学生の観客動員に関しては成功していると言えます。
反対に、リーグ戦の総入場者数ランキング1位の浦和レッズは17位と振るわず、同じく2位のガンバ大阪も13位に落ち込んでいますので、総入場者数が多いからといって、学生の入場者も多いとは限らない状況が見えてきます。
学生(11歳-18歳)の入場者数が多いチームは?
次にJリーグの各クラブの学生(11歳-18歳)の入場者数を見ていきます。
学生(11歳-18歳)の入場者数は以下の算式で計算します。
(学生の入場者数)=(リーグ戦の各クラブの総入場者数)×(学生の入場者割合)
Jリーグの各クラブの学生(11歳-18歳)の入場者数ランキングは表2となります。表2の左は学生の入場者数、右は全体の入場者数となります。
学生の入場者数1位は37,185人のFC東京となります。1試合の平均入場者数では2,187人です。
2位の横浜F・マリノスの入場者数は25,300人ですので、FC東京は約1.47倍の差をつけていますので、堂々の1位です。
この結果から、FC東京は学生の観客動員に成功しているといえます。
また、学生の入場者数割合の1位の鳥栖、2位の福岡は、それぞれ3位と6位となっており、入場者数においても善戦していることが分かります。
学生の入場者数割合で13位だったガンバ大阪は、入場者数では5位となり、上位をキープしています。学生の入場者数の割合で考えるとまだまだ課題はありますが、入場者数でみると一定の成果は出しているといえます。
一方で、リーグ戦の総入場者ランキング1位の浦和レッズは、学生の入場者数の割合に続いて、学生の入場者数のランキングでも14位に落ち込んでおり、学生の観客動員に大きな課題を抱えていることが分かります。
Jリーグのホームスタジアムの入場者の平均年齢が年々上がっており、2016シーズンの入場者の平均年齢は前年度より0.5歳上がり、41.6歳となっています。
そんな状況の中で、Jリーグの各クラブにとって、若い世代の観客動員数を増やすことは、現在の観客動員数の底上げと、未来の観客動員数の確保の2つの意味で非常に重要なミッションといえます。
まとめ
・FC東京は学生の観客動員に成功している一方で、浦和レッズは学生の観客動員に課題を抱えている。
・若い世代の観客動員数を増やすことは、現在の観客動員数の底上げと、未来の観客動員数の確保の2つの意味で非常に重要。