Jリーグ 収入

J1降格チームの収入は激減するのか!?J2に降格した場合の経営インパクトは?

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2018年シーズンも終わりに近づいています。優勝争い、ACL出場権争いも激しいですが、それと同じく、時にはそれ以上に激しく、そして厳しい戦いとなるのが、J1残留争いです。

毎年必ずJ1からJ2に降格するチームが生まれます。「J2に降格して我がチームは大丈夫なのか?」と心配するサポーターも多いと思います。

今回は経営の視点で、J2降格チームの収入の変化を見ていきます。

収入の変化を見る前に、Jリーグのチームの収入の項目を説明します。Jリーグのチームの収入の合計は営業収益と呼ばれます。この営業収益は以下の収入項目から構成されます。

・広告料収入
・入場料収入
・Jリーグ配分金
・アカデミー関連収入
・物販収入
・その他収入

上記の収入項目とその合計である営業収益について収入の変化を見ていきます。




 

2015シーズンに降格したチームのその後。収入はどうなったか?

2015シーズンに降格したチームの収入の変化を見ていきます。

2015シーズンの降格チームは以下の3チームです。

①ヴァンフォーレ山形

②松本山雅

③清水エスパルス

2015シーズンにJ1で戦った上記の3チームは、降格後の2016シーズンではJ2で戦っています。

J1で戦った2015シーズンの収入とJ2で戦った2016シーズンのチームの収入の変化が表1となります。

 

表1-①、②、③ですが、ヴァンフォーレ山形と松本山雅は収入の合計である営業収益が減少している一方で、清水エスパルスは営業収益が増加しているのが特徴的です。

清水エスパルスの営業収益が増加したのは、広告料収入が増加したのが要因です。J2に降格したにも関わらず、前年度より3億5000万円増加しています。清水エスパルスのスポンサー企業がJ2降格によって見放すことなく、引き続き支援していることが分かります。

収入項目の中で、一番のインパクトはJリーグ配分金の減少です。3チームともに1億円以上の収入減となり、前年度の半分以下の金額となっています。




 

2016シーズンに降格したチームのその後。収入はどうなったか?

2016シーズンに降格したチームの収入の変化を見ていきます。

2016シーズンの降格チームは以下の3チームです。

①湘南ベルマーレ

②名古屋グランパス

③アビスパ福岡

2016シーズンにJ1で戦った上記の3チームは、降格後の2017シーズンではJ2で戦っています。

J1で戦った2016シーズンの収入とJ2で戦った2017シーズンのチームの収入の変化が表2となります。

 

表2-①、②、③ですが、湘南ベルマーレと名古屋グランパスは収入の合計である営業収益が減少しています。但し、営業収益を前年比率で見ると、湘南ベルマーレが96.25%、名古屋グランパスが97.48%となっており、営業収益の減少幅は3%~4%程度であり、前年度とほぼ同じ水準の営業収益を確保していることが分かります。

また、アビスパ福岡においては営業収益は増加しています。アビスパ福岡の営業収益が増加した一番の要因は、その他収入の増加です。J2に降格したにも関わらず、その他収入は前年度より2億3000万円増加しています。この増加は、移籍金による収入が要因と考えられます。代表例が、日本代表にも選出された冨安健洋選手のベルギー1部シントトロイデン移籍に伴う移籍金です。移籍金は公表されていませんが、数億円と言われています。

冨安健洋選手の移籍はチームの戦力としては大きなダメージですが、J2に降格したクラブ経営を安定させるために必要な経営判断だったと見ることができます。

表1-①、②、③の2015シーズンの降格チームとの比較で考えると、一番の違いは、Jリーグ配分金の減少のインパクトが小さくなっていることです。2015シーズンの降格チームではJリーグ配分金は1億円以上の収入減でしたが、2016シーズンの降格チームでは、5000万円以下の減少で抑えられています。これは、JリーグがDAZNと締結した多額の放映権契約により、2017シーズンにJ2においてもJリーグ配分金が増加したことが原因です。

 

J1からJ2に降格した場合の経営インパクトは?

最後にJ1からJ2に降格した場合の経営インパクトを見ていきます。

表1と表2において、2015シーズン降格チームと2016シーズン降格チームの収入の変化を見てきた結果から言えば、J1からJ2に降格したからといって、直ちに収入が大きく減少する事態には直面しないことが分かります。

収入が大きく減少しない一番の要因は、収入の大部分を占める広告料収入がJ2に降格したからといって、必ずしも大きく減少するものではないためです。

広告料収入が大きく減少しない理由としては、広告料を複数年契約で締結しているスポンサーが多くあること、そして何より地域密着の努力の成果として、チームが苦境に陥っている時こそサポートしてくれる企業が多く存在していることです。

特定の企業のクラブではなく、地域のクラブであるからこそ、それを支える企業が多く存在するのだと思います。これは、Jリーグが目指す「地域に根差したスポーツクラブ」に着実に近づいている成果といえるものです。

1番大きな収入である広告料収入が大きく減少しないのであれば、あとは2番目に大きな収入である入場料収入が大きく減少しなければ、収入の面でクラブ経営を安定させることができます。そのように考えると、クラブにとっての最後の砦はやはりサポーターの存在となります。J1からJ2に降格しても多くのサポーターが変わらずにスタジアムに駆けつけてくれるのであれば、入場料収入は減少せず、クラブ運営は危機的な状況に陥らないはずです。そして、再び蘇ることもできるはずです。

その意味で、J1からJ2への降格は、Jリーグのクラブにとって、「地域に根差したスポーツクラブ」であるかを改めて問われる機会と言えるでしょう。

 

まとめ

・J1からJ2に降格したからといって、直ちに収入が大きく減少することはない。

・収入が大きく減少しない一番の要因は、収入の大部分を占める広告料収入がJ2に降格したからといって、必ずしも大きく減少しないため。

・J1からJ2に降格しても多くのサポーターが変わらずにスタジアムに駆けつけてくれるのであれば、入場料収入は減少せず、クラブ運営は危機的な状況に陥らない。

・J1からJ2への降格は、Jリーグのクラブにとって、「地域に根差したスポーツクラブ」であるかを改めて問われる機会と言える。




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