Jリーグ 収入

浦和レッズのACLの収益は?賞金と入場料収入でACL参戦チームの収益を分析する

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ACL(アジアチャンピオンズリーグ)に参戦することによる収益はどのくらいだと思いますか?

今回は経営の視点でACLに参戦することにより発生する収益を見ていきます。

 

ACLの賞金と試合補助金は?

まずは、ACLの賞金体系を見ていきます。

ACLの賞金体系ですが、厳密には、ACLにおいてアジアサッカー連盟(AFC)から支払われるお金は2種類あります。1つは賞金(Prize Money)、もう1つは試合補助金(Match Subsidy)です。「AFC Champions League 2017 Competition Regulations」に定められている内容となります。

 

1.賞金(Prize Money)

賞金は以下の表1の通りです。

ACLにおける賞金は優勝チーム(Champion)と準優勝チーム(Runner-Up)のみに支払われます。

優勝賞金は300万ドル、日本円に換算すると約3億3300万円です。また、準優勝は150万ドル,日本円に換算すると約1億6650万円です。

2017明治安田生命J1リーグの優勝賞金は3億円、2位は1億2000万円ですので、それより高い金額となっています。

 

2.試合補助金(Match Subsidy)

「AFC Champions League 2017 Competition Regulations」において、賞金以外に支払われるお金は全て試合補助金との位置付けとなります。試合補助金としては以下の3項目があります。

①参加報酬(Participation Fee)
②パフォーマンスボーナス(Performance Bonus)
③旅費補助金(Travel Subsidy)

①参加報酬(Participation Fee)

準決勝、準々決勝、ベスト16の試合に参加するチームに対して支払われるお金が参加報酬です。参加報酬として表2の金額が支払われます。

②パフォーマンスボーナス(Performance Bonus)

決勝トーナメントの前のグループステージにおいて、勝敗に応じて支払われるお金がパフォーマンスボーナスです。パフォーマンスボーナスとして表3の金額が支払われます。

③旅費補助金(Travel Subsidy)

各ステージにおいて、アウェイチームに対して支払われるお金が旅費補助金です。旅費補助金として表4の金額が支払われます。

Jリーグの4チームに支払われた金額は?

ACL2017に参戦したJリーグの4チームに支払われた金額を見ていきます。

Jリーグの4チームに支払われた賞金、参加報酬、パフォーマンスボーナス、旅費補助金は表5となります。

優勝した浦和レッズに支払われた金額は4億2624万円です。また、ベスト8の川崎フロンターレに支払われた金額は5439万円です。

優勝した浦和レッズとベスト8の川崎フロンターレの金額の差は3億7185万円にもなります。

ACLにおける賞金は決勝に進出した2チームだけに支払われるため、決勝に進出したチームとそれ以外のチームでは支払われる金額に大きな差が出ることが分かります。

準々決勝の直接対決で明暗が分かれた両チームですが、収益においても大きく明暗が分かれる結果となっています。

 

ACLのホーム試合での入場料収入は?

賞金、試合補助金以外のACLの収益としてホーム試合での入場料収入がありますので、この入場料収入を見ていきます。

ACLの入場料収入は公表されていないため、各チームのホーム試合における入場者数と2016年度の平均チケット価格をもとに算出します。ホーム試合での入場料収入は表6となります。

優勝した浦和レッズの入場料収入は7億3330万円となります。

2016年度の浦和レッズの入場料収入は23億7500万円ですので、今回のACLの入場料収入の7億3330万円は昨年度の入場料収入の約31%に相当する金額です。

準決勝の上海上港戦の入場者数44,375人と決勝のアルヒラル戦の入場者数57,727人は浦和レッズのリーグ戦の平均入場者数を大きく上回っていますので、この2試合が入場料収入を押し上げています。

一方で、川崎フロンターレ、鹿島アントラーズ、ガンバ大阪の入場料収入は多くありません。グループリーグの試合は平日開催であり、相手チームの知名度も高くないため、平均入場者数が通常のリーグ戦よりも少ないことが大きな要因です。

ACL出場権を目標と掲げるチームが多い中で、実際のACLの試合では観客を集客できていないことは、ACLにとっても、参戦クラブにとっても大きな課題であるといえます。

 

ACLに参戦することによる収益は?

Jリーグの4チームのACLの収益は賞金・試合補助金と入場料収入を合計した金額となります。Jリーグの4チームのACLの収益合計は表7となります。

優勝した浦和レッズの収益合計は11億5954万円です。

2016年度の浦和レッズの収益合計(営業収益)は66億600万円ですので、今回のACLの収益の11億5954万円は昨年度の収益合計の約18%に相当する金額となります。この収益が2017年度の浦和レッズの収益を大きく押し上げることは間違いありません。

一方で、ベスト8の川崎フロンターレの収益合計は1億9932万円に留まっています。また、ベスト16の鹿島アントラーズは1億2981万円、グループリーグ敗退のガンバ大阪は1億603万円と決して大きな収益とはなっていません。

今回は収益に焦点を当てていますが、ACL参戦により費用も発生しますので、収益から費用を差し引いた利益で考えると、ACLに参戦したとしても、決勝まで勝ち進まないと大きな利益は得られないことが分かります。

ACLに参戦するだけでは大きな収益が得られない理由の1つとして、放映権料の問題があると考えます。

「AFC Champions League 2017 Competition Regulations」には、放映権料の分配に関する規定がないことから、現状のACLでは、放映権料は各クラブに分配されていないと考えられます。

ACLの放映権料がまだまだ少額であることが大きな要因だと思いますが、UEFAチャンピオンズリーグのように放映権料が莫大な金額になってくると、各クラブへの分配も行われ、参加するクラブに大きな収益をもたらす大会に変貌するでしょう。

今後ACLの価値を高めていくことが、Jリーグのクラブはもちろんのこと、アジア圏のサッカークラブが繁栄していくために、非常に重要なミッションであるといえます。

まとめ
・優勝した浦和レッズの収益合計は11億5954万円と非常に多い。
・一方で、ベスト8の川崎フロンターレの収益合計は1億9932万円に留まっており、決勝に進出したチームとそれ以外のチームでは収益に大きな差がある。
・ACLの価値を高めていくことが、Jリーグのクラブはもちろんのこと、アジア圏のサッカークラブが繁栄していくために、非常に重要なミッションである。

※今回の分析では、AFC公式HP及び「AFC Champions League 2017 Competition Regulations」を使用。

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