Jリーグと世界のビッククラブとのスポンサー収入の差はどのくらいあると思いますか?
今回はJリーグのクラブのスポンサー収入と世界のビッククラブのスポンサー収入を比較することで、Jクラブと世界とのスポンサー収入の差を見ていきます。
Jリーグのクラブのスポンサー収入TOP5
最初にJリーグのクラブのスポンサー収入TOP5を見ていきます。世界のビッククラブと比較するJリーグのクラブです。
Jリーグのクラブの中で多くのスポンサー収入を得たTOP5は表1となります。
1位は名古屋グランパスでスポンサー収入は30億8800万円です。この金額がJリーグのクラブのスポンサー収入の最大値となります。
スポンサー収入が30億円に届いているチームは名古屋グランパスだけで、2位の浦和レッズは25億9300万円、3位の横浜F・マリノスは23億6600万円となります。
また、5位の大宮アルディージャが20億7700万円であり、表1には含めていませんが6位以下は20億円を下回っています。
したがって、Jリーグでスポンサー収入が多いクラブとは、スポンサー収入が20億円~30億円の範囲のクラブといえます。
これが現在のJリーグのクラブのスポンサー収入の規模となります。
世界のサッカークラブのスポンサー収入TOP5
続いて、世界のサッカークラブのスポンサー収入TOP5を見ていきます。
世界のサッカークラブのスポンサー収入ランキングのTOP5は表2となります。
表2を見ると世界に名だたる名門クラブがランクインしています。
1位はマンチェスター・ユナイテッドの465億6640万円となります。
サー・アレックス・ファーガソン監督の長期政権の終わりとともに、プレミアリーグで苦戦が続くマンチェスター・ユナイテッドですが、世界的な人気は衰えておらず、スポンサー収入で1位を獲得しています。
続いて、2位はバイエルン・ミュンヘンで438億5280万円です。
ドイツというヨーロッパ随一の経済大国にあるクラブはしっかりとスポンサー収入を獲得しています。
3位はパリ・サンジェルマンで390億7840万円です。
近年のビックネームの獲得でチームとしての注目度が急上昇のフランスの名門はスポンサー収入で上位に位置しています。
4位、5位はスペインの両雄がランクインです。4位はFCバルセロナで379億0080万円、5位はレアル・マドリードで337億1520万円です。
近年のサッカー界の覇権を争う2チームですが、スポンサー収入ではFCバルセロナに軍配があがっています。
Jリーグと世界とのスポンサー収入の差は?
Jリーグのクラブと世界のサッカークラブとのスポンサー収入の差を見ていきます。世界との差を具体的な数値で知ることが出来るデータとなります。
Jリーグのクラブのスポンサー収入TOP5と世界のサッカークラブのスポンサー収入TOP5との収入の差は以下の計算式で算出しています。
・スポンサー収入の差(倍率)= 世界TOP5クラブのスポンサー収入 ÷ Jクラブのスポンサー収入
Jリーグのクラブのスポンサー収入TOP5と世界のサッカークラブのスポンサー収入TOP5との収入の差は表3となります。
Jリーグのクラブのスポンサー収入1位の名古屋グランパスと世界のスポンサー収入1位のマンチェスター・ユナイテッドを比較すると、マンチェスター・ユナイテッドのスポンサー収入は名古屋グランパスのスポンサー収入の約15.08倍となります。
世界的な大企業であるトヨタ自動車を筆頭にトヨタ自動車関連会社や東海地方の会社から安定的なスポンサー収入を得ている名古屋グランパスですが、世界のビッククラブと比較すると、そのスポンサー収入に桁違いの差があることが分かります。
JリーグのTOP5のクラブと世界のTOP5のクラブを比較すると、Jリーグのクラブは世界のビッククラブにスポンサー収入では10倍、20倍の差をつけられています。スポンサー収入では世界の壁は遥かに高いと言わざるを得ません。
Jリーグが世界に追いつくために
プレミアリーグがあるイングラインドの人口は約5400万人です。日本の人口は約1億2700万人であり、イングランドの約2.4倍の人口となりますので、自国の市場規模からいえば、プレミアリーグよりJリーグの方が圧倒的に有利です。
それにも関わらず、プレミアリーグに所属するマンチェスター・ユナイテッドがJリーグのクラブの15倍、20倍ものスポンサー収入を獲得しているのは、マンチェスター・ユナイテッドのマーケットが地域や国内だけではなく世界各国に及んでいるためです。
2012年の大手市場調査会社であるカンター社の発表によると、マンチェスター・ユナイテッドのファンは世界に推定で6億5,900万人いるとのことです。
マンチェスター市の人口は約49万人であり、近郊を含めた都市圏でも人口は約224万人ですので、マンチェスター・ユナイテッドがホームタウン以外でいかに多くのファンを獲得しているかが分かります。
Jリーグのクラブにとって、まずはホームタウンのファンを獲得することが重要ですが、Jリーグが世界に名だたるリーグへと成長するためには、地域や国内を超えて海外にもファンを拡大していくことが必要です。
マンチェスター・ユナイテッドのファンの6億5,900万人のうち、3億2500万人がアジアにいるということです。地理的に優位性があるJリーグがアジア市場に食い込むことができれば、Jリーグの成長の可能性は飛躍的に上昇します。そして、その時には今のスポンサー収入の圧倒的な差は僅差となっているはずです。
まとめ
・世界1位のマンチェスター・ユナイテッドは日本1位の名古屋グランパスの約15.08倍のスポンサー収入をあげている。
・スポンサー収入で世界に追いつくために、Jリーグのクラブは地域や国内を超えて海外にもファンを拡大していくことが必要。
※今回の分析では、Jリーグ公式HPの「Jクラブ個別経営情報開示資料」及び「Deloitte Football Money League 2017」を使用。