Jクラブの収入と世界のビッククラブとの収入の差はどのくらいだと思いますか?
今回はJクラブの2016年度の収入と世界のビッククラブの2015/16シーズンの収入を比較することで、Jクラブと世界のビッククラブとの差を見ていきます。
Jクラブの収入TOP5
最初にJクラブの2016年度の収入TOP5を見ていきます(出典「Jクラブ個別経営情報開示資料」)。世界のビッククラブと比較するJクラブです。
2016年度にJクラブの中で多くの収入を得たTOP5は表1となります。
1位の浦和レッズの収入は66億600万円です。この金額がJクラブの収入の最大値となります。
収入が60億円に届いているチームは浦和レッズだけで、2位の鹿島アントラーズ、3位のガンバ大阪の収入は50億円台となります。また、4位の名古屋グランパス、5位の横浜F・マリノスになると収入は40億円後半となります。
全世界の収入TOP5
続いて、全世界のサッカークラブの2015/16シーズンの収入TOP5を見ていきます(出典「Deloitte Football Money League 2017」)。
2015/16シーズンの全世界のサッカークラブの収入ランキングのTOP5は表2となります。
表2を見るとサッカー界を代表する錚錚たるビッククラブが名を連ねています。
1位はマンチェスター・ユナイテッドの881億9200万円となります。
世界的な人気を有するイングランドの名門が堂々の1位を獲得しています。
続いて、2位はFCバルセロナで793億8560万円、3位はレアル・マドリードで793億7280万円となります。
近年のサッカー界の覇権を争うスペインの両雄が堂々のランクインです。金額がほぼ同額であるのも、現在の両チームの人気・実力が世界最高レベルで拮抗していることを示唆しているといえます。
4位はバイエルン・ミュンヘンで757億7600万円です。
ドイツの1強は世界でも存在感を見せています。
5位はマンチェスター・シティの671億8720万円です。
マンチェスター・シティは2008年にオーナー権を獲得したUAEの投資グループであるアブダビ・ユナイテッド・グループ(ADUG)の莫大な資金力を後ろ盾に収入ランキングのTOP5に位置するクラブとなっています。
Jリーグと世界のビッククラブとの収入の差は?
Jクラブの収入TOP5と世界の収入TOP5との収入の差を見ていきます。
世界との差を具体的な数値で知ることが出来るデータです。
Jクラブの収入TOP5と世界の収入TOP5との収入の差は以下の計算式で算出しています。
・収入の差(倍率)= 世界TOP5クラブの収入 ÷ Jクラブの収入
Jクラブの収入TOP5と世界の収入TOP5との収入の差は表3となります。
Jクラブの収入1位の浦和レッズと世界の収入1位のマンチェスター・ユナイテッドを比較すると、マンチェスター・ユナイテッドの収入は浦和レッズの収入の約13.4倍となり、現時点では圧倒的な差が存在することが分かります。
浦和レッズは世界の収入5位のマンチェスター・シティと比較しても、約10.2倍の差がありますので、Jクラブと世界のビッククラブとでは金額の桁が違うことが分かります。
Jクラブの中で収入がダントツ1位である浦和レッズを以てしてもこの結果ですので、他のJクラブと世界TOP5との収入の差は歴然としています。
現時点では、Jクラブでは世界のビッククラブには太刀打ちできないという事実を素直に認めざるを得ません。
この現実を直視した上で、それでも日本がワールドカップに優勝するためには、この圧倒的な差を埋めることが今後のJリーグの使命と考えます。
Jクラブと世界のビッククラブの収入の差の主な要因は、ターゲットとするマーケットが自国内であるのか、全世界であるのかの差です。
Jクラブにとって、まずは日本に地理的な利があるアジアマーケットを制することが、この圧倒的な収入の差を埋めるための重要な一歩となります。
まとめ
・世界の収入1位のマンチェスター・ユナイテッドはJクラブの収入1位の浦和レッズの約13.4倍の収入をあげている。
・Jクラブと世界のビッククラブの収入は金額の桁が違う。
・日本がワールドカップに優勝するためには、この圧倒的な差を埋めることが今後のJリーグの使命。
※今回の分析では、Jリーグ公式HPの「Jクラブ個別経営情報開示資料」及び「Deloitte Football Money League 2017」を使用。
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