Jリーグ 経営指標

Jリーグで黒字と赤字のチームは?利益が1位と最下位の両クラブの経営に必要なことは?

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Jリーグで黒字と赤字のチームはどのチームだと思いますか?

日本サッカー協会とJリーグが2012年2月1日に国内向けのクラブライセンス制度を施行したことにより、Jリーグのクラブにとって利益はクラブの存続に直結する重要な経営指標となっています。

今回はJ1クラブ決算から利益の項目である“当期純利益”を見ていきます。

 

当期純利益とは?

当期純利益とは、1事業年度に計上されるすべての収益から,すべての費用を差し引いて計算される当期の最終的な利益のことです。

当期純利益は会社を理解するための重要な経営指標の1つであり、当期純利益を見れば、その会社が1事業年度でどれだけの成果をあげることができたのかが分かります。

この当期純利益ですが、経営分析の指標においても良く利用されます。

会社の経営状況を判断するために、ROE、ROI、ROAという経営指標が利用されますが、この指標は「株主資本利益率」(ROE:Return On Equity)、「投資利益率」(ROI:Return on Investment)、「総資産利益率」(ROA:Return On Assets)を表し、この経営指標の計算式にも当期純利益が利用されています。

 

クラブライセンス制度における当期純利益の位置付け

前述した当期純利益ですが、クラブライセンス制度のクラブライセンス交付の審査における判定基準の1つになっています。

具体的には、「Jリーグクラブライセンス交付規則」の財務基準に対する運用細則において、財務基準を満たさない場合として以下の記載を定めています。

・3期連続で当期純損失を計上した場合

ここで記載されている当期純損失とは、当期純利益がマイナスの状態のことです。健全なクラブ経営をしている場合には、最終的な利益はプラスになるので当期純利益となりますが、仮に利益がマイナスになると当期純損失という呼び名に変わります。

黒字クラブ、赤字クラブという言葉がよく使われますが、黒字クラブは当期純利益がプラスのクラブであり、赤字クラブは当期純利益がマイナス、つまり当期純損失を計上したクラブとなります。

Jリーグのクラブの場合の当期純利益の計算式としては以下となります。計算の結果がマイナスの場合には当期純損失となります。

・当期純利益(or当期純損失 = (営業収益 + 営業外収益 + 特別利益)- (営業費用 + 営業外費用 + 特別損失) - (法人税・住民税・事業税)

 

Jリーグで利益が一番多いクラブは?

Jリーグで利益(当期純利益)が多いクラブを見ていきます。2016年度のJ1クラブ決算の当期純利益のランキングは表1となります。

1位は鹿島アントラーズの6億1000万円となります。2位以下を大きく引き離しての堂々の1位です。

2016年度の鹿島アントラーズの利益がここまで大きくなった要因は獲得賞金です。Jリーグ年間優勝の賞金1億円や天皇杯優勝の賞金1億円も大きいですが、何よりも大きいのが、クラブワールドカップ準優勝の賞金400万ドル(約4億8000万円)です。

アジアチャンピオンズリーグ(ACL)の優勝賞金が150万ドルであることを考えると、クラブワールドカップ準優勝の賞金はJリーグのクラブが獲得した過去最高額の賞金となり、それが鹿島アントラーズの利益を大きく押し上げたことが分かります。

堂々の1位である鹿島アントラーズの経営は安定しているように見えますが、実は違います。

昨年度の鹿島アントラーズは当期純利益でなく、当期純損失を計上しており、その額も3億4400万円とJ1クラブでワーストの損失額でした。昨年度の最下位からの当年度の1位となりますので、経営としてはV字回復です。

但し、もし鹿島アントラーズが1つもタイトルを獲得できていなかったら、2年連続の赤字になっていますので、経営は決して安定しているとは言えません。

獲得賞金に依存する経営はギャンブルです。タイトルが獲得できない場合にはクラブの破綻に繋がる恐れもありますので、鹿島アントラーズは賞金に依存しなくても利益を計上できる健全な経営が必要なクラブと言えます。

 

Jリーグで利益が一番少ないクラブは?

J1クラブの中で唯一、当期純損失を計上、つまり赤字となったクラブが最下位のベガルタ仙台です。

ベガルタ仙台の社長は赤字の理由を「赤字覚悟で、選手補強に予算を投入した」ためと説明しています。

ベガルダ仙台は2016年度の年間勝ち点は43点であり、前年度の35点からアップしています。また、順位も12位であり、前年度の14位からアップしていますので、「赤字覚悟で、選手補強に予算を投入した」だけの一定の成果を出していると言えます。

但し、この成果を営業収益に結びつけて2017年度には利益を出していかないと、クライブライセンス交付に黄色信号が灯りますので、経営は慎重な舵取りが必要となります。

 

まとめ
・J1で利益が一番多いチームは鹿島アントラーズであり、最下位はJ1で唯一の赤字となったベガルダ仙台である。
・鹿島アントラーズは賞金に依存しなくても利益を計上できる経営が必要であり、ベガルタ仙台はリーグ戦の結果を営業収益に繋げる経営が必要となる。

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