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Jリーグでスタジアム運営が上手なチームは?異常な経費の2チームは早急な対策を!

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Jリーグのチーム中でスタジアム運営が上手なチームはどこだと思いますか?

今回は営業費用の1つの項目である「試合関連経費」に焦点をあてることで、Jリーグの各クラブのスタジアム運営におけるオペレーション能力を見ていきます。スタジアム運営はスポーツビジネスの基本ですので、その基本を費用の面から分析します。

 

試合関連経費とは?

最初に、今回の分析で利用する試合関連経費項目の説明をします。

試合関連経費とはスタジアム使用料、警備費、運営設営費等のホームで試合を開催するために掛かる費用となります。

Jリーグのチームがホームで試合を開催するためには、まず観客にサッカーというエンターテインメントを提供するための劇場となるスタジアムを確保する必要があります。その時に掛かる費用がスタジアム使用料となります。

また、観客の安全を確保するために警備を万全にする必要がありますので、警備員の人件費等が掛かります。これが警備費となります。

さらに、スタジアムにおけるチケットの確認、観客の案内、広告の設置等の運営・設営の作業のための人件費等が掛かります。これが運営設営費となります。

上記の費用が試合関連経費を構成します。まさに試合を開催するために必要な費用となります。

「Jリーグ規約」により試合を運営するためにホームクラブがするべきことは決められていますので、試合を運営するための費用については、本来は各チームで差がつくものではないです。

ただ実際には各チームで試合関連経費は大きく異なります。次に各チームの試合関連経費を見ていきます。

 

試合関連経費が多いチームは?

2016年度のJ1クラブ決算の試合関連経費のランキングは以下の表1となります。

表1を見ると、ホームで試合を開催するためにするべきことは同じであっても、その開催のためにかかる費用である試合関連経費は各チームでバラツキがあることが分かります。

試合関連経費が膨らんでいるクラブですが、1位はガンバ大阪で試合関連経費は8億3200万円です。2位は浦和レッズで試合関連経費は5億9400万円となります。

ガンバ大阪の試合関連経費は浦和レッズの約1.4倍の金額となっており、突出した金額となっています。3位以下のチームと比較してもガンバ大阪の試合関連経費が異様に高いことが分かります。まさに異常値です。

ガンバ大阪の吹田サッカースタジアムの問題点については、以前の記事で記載しましたが、試合関連経費の金額からも問題が潜んでいることが分かります。

<参考記事>
吹田サッカースタジアムは失敗!?日本のサッカー専用スタジアム構想の問題点。

 

スタジアム運営のオペレーション能力を分析する

スタジアムの試合運営を各クラブが問題なく実施していることを前提とすると、試合関連経費が少ないクラブほど効率的にスタジアム運営をしていると捉えられます。それはまさにオペレーション能力が高いクラブと言えます。

一方で、オペレーション能力以外に試合関連経費を押し上げる要因もあります。

オペレーション能力以外で試合関連経費に影響を及ぼす一番の要因はホームスタジアムの収容人数です。

収容人数が多いスタジアムであるほど、一般的にスタジアム使用料は高くなります。また、スタジアムが広くなりますので警備範囲も広がり警備費用も上昇します。さらに、スタジアムの収容人数が大きいほど、通常は観客動員数も多くなりますので、運営・設営のための人件費も上昇します。

上記の状況から、スタジアム運営のオペレーション能力を分析するためには、試合関連経費だけでなく、スタジアムの収容人数も考慮する必要があります。

試合関連経費とスタジアムの収容人数の両方を考慮することで、本当にオペレーション能力が高いクラブが見えてきます。その指標として「スタジアム1座席分の年間試合関連経費」の値を使用します。

計算式としては以下となります。

「スタジアム1座席分の年間試合関連経費」= 試合関連経費 ÷ スタジアムの収容人数(座席数)

この計算式の結果により、スタジアムの1座席に対して、年間でどれだけの金額の経費を掛けているかが分かります。

スタジアム運営のレベルは同じという前提を置くと、同レベルの業務に対して多くの経費を掛けているクラブはオペレーション能力が低く、少ない経費で実施しているクラブはオペレーション能力が高いといえます。

経営における利益の視点で見ると、スタジアムの1座席が入場料収入の1人分の年間の収益を生み出す設備であり、この収益に対応する費用が「スタジアム1座席分の年間試合関連経費」となります。

費用が少なければ(収益-費用)の結果として利益が上がりますので、スタジアム運営のレベルが同じであれば、「スタジアム1座席分の年間試合関連経費」が少なければ少ないほど経営的に成功しているといえます。

「スタジアム1座席分の年間試合関連経費」の金額が低い順のランキングが表2となります。

1位は横浜F・マリノスです。日産スタジアムの収容人数が7万人を超えるため低くなっています。

横浜F・マリノスの場合には、試合関連経費の金額が低く抑えられているので、入場者数が増加すれば、利益が大きくなる構造といえます。

スタジアムの収容人数が他のクラブよりかなり大きいのにも関わらず、試合関連経費の金額は6番目に高い金額に抑えられていることも、スタジアムにおける運営の効率化が推し進められてきた結果だといえます。

一方で最下位はジュビロ磐田となります。スタジアムの収容人数が一番少ない15,165人にも関わらず、試合関連経費は4億2200万円と4番目に高い金額となっています。この金額は明らかに異常です。

スタジアムの収容人数がほぼ同じ柏レイソルの試合関連経費は1億3200万円であり、ジュビロ磐田の試合関連経費の約31%に抑えられていることからも、現状のジュビロ磐田の試合関連経費がいかに異常な金額であるかが分かります。

要因としては、ホームスタジアムであるヤマハスタジアムのスタジアム利用料が高いためと考えられますが、ジュビロ磐田の経営陣は早急に詳細な原因の把握と対策が必要です。

特に、ジュビロ磐田のスタジアムの満員率は89.2%とJ1で1番高くなっていますので、入場料収入の増加は既に頭打ちの状況です。経営の視点で考えると、利益をあげるためには、費用である試合関連経費を減少させるか、スタジアムの収容人数を増やすことで入場料収入を増加させるしかありません。

スタジアムの収容人数を増やすことは設備の増強のため多くの資金が必要であることを考えると、最初に手を打つべきは試合関連経費を減少させることです。

<参考記事>
Jリーグの中でスタジアムの満員率が高いチームはどこか?意外なチームが1位に!?

まとめ
・スタジアム運営が1番上手なチームは横浜F・マリノス。
・スタジアム運営の指標に異常値が見られるガンバ大阪とジュビロ磐田は早急に対策が必要。

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