Jクラブ経営

FCバルセロナのソシオ制度がクラブ経営の理想形ではない理由とは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

ソシオ(Socio)制度という言葉を聞いたことがありますか?

ソシオ制度とは、サッカークラブをクラブ会員の会費によって支える運営方法です。

クラブ会員は、クラブに対して金銭を支払う義務があり、その代わりにクラブ運営に参加することができる権利が与えられるという制度です。

スペインの2強であるレアル・マドリードとFCバルセロナが採用している制度ということもあり、クラブ運営の理想形のように語られることも多いこの制度を収入の面で見ていきます。

 

FCバルセロナのオーナーになる!ソシオ制度の特徴

FCバルセロナを例にソシオ制度の特徴を見ていきます。

ソシオ制度の一番の特徴は、ソシオはクラブのオーナーであることです。

Jリーグのクラブは株式会社ですので、法律上のオーナーは株主であり、その株主は企業や地方公共団体等ですが、ソシオ制度のもとでは、クラブのオーナーはソシオとなります。

したがって、FCバルセロナのソシオとなれば、FCバルセロナのオーナーの1人になれます

FCバルセロナのソシオ会員には義務と権利があります。その義務と権利は以下の内容です。

<義務>

・年会費170ユーロ(約21,420円)の支払い

<権利>

・会長選挙の投票権

・年間シート購入権

・カンテラの無料観戦権 他

直近の会長選挙となった2015年のFCバルセロナ会長選挙において投票権を持つソシオは109,637人でしたので、年会費が170ユーロとして、ソシオ会員だけで、年間で約23億5000万円の資金をFCバルセロナは得ることができます。

次に、この年間の約23億5000万円の資金はどれだけのインパクトがあるのか見ていきます。

 

ソシオ制度を採用しても潤わない

直近で公表されているJ1クラブの営業収益の平均は33億4300万円です。

したがって、ソシオ会員の年会費合計の約23億5000万円だけでは、J1クラブの営業収益の70%程度の金額ですので、たいした金額とはいえません。

また、同じく直近で公表されているFCバルセロナの年間収入は約794億5000万円です。

したがって、ソシオ会員の年会費合計の約23億5000万円バルセロナの年間収入のわずか3%程度ですので、重要度はかなり低いです。

さらに、2017-18シーズンからFCバルセロナとグローバル・スポンサー契約を締結して、ユニフォームの胸ロゴに記載されることになった楽天が支払ったスポンサー料は年間約68億円ですので、ソシオ会員の年会費合計の約23億5000万円楽天1社が支払ったスポンサー料の35%程度ですので、やはりたいした金額とはいえません。

上記の通り、ソシオ制度の収入へのインパクトは大きいとはいえません。少なくとも現在のFCバルセロナにとっては、ソシオからの収入はクラブ運営に影響を及ぼす金額とはいえないです。クラブ運営の理想形のように語られるソシオ制度ですが、収入という観点では大きなメリットが得られる制度ではないということが分かります。

 

最後におまけのトピックです。

楽天の従業員数は有価証券報告書によると5549名ですので、仮にFCバルセロナに支払った約68億円のスポンサー料を従業員に還元したら1人当たり約123万円が分配される計算になります。

サッカー好きの従業員でしたらFCバルセロナのスポンサーとなるのは嬉しいのかもしれないですが、サッカーを知らない従業員からしたら、約123万円のボーナスの方が良いのではないでしょうか。

海外では知名度のない楽天のグローバル戦略の変則の一手である今回のFCバルセロナとのスポンサー契約が、今後どのような結果を生むのかは経営の視点ではとても興味深いです。

まとめ

ソシオ制度を採用しても収入が大きく増えるわけではない。収入を拡大するという観点ではソシオ制度は必要ない。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

コメントを残す