Jクラブ経営

Jリーグのクラブに親会社は存在しない!?プロ野球の感覚は世界の非常識

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Jリーグの各クラブの親会社はどの企業だと思いますか?

 

日本では、プロ野球が一般的な例のように取り扱われているため、誤解が多い内容ですので、この誤解を解いていきたいと思います。

 

日本のプロ野球との比較でJリーグのクラブを理解する

 

Jリーグの各クラブを理解するために、日本では馴染み深いプロ野球との比較で見ていきます。

 

まず日本のプロ野球ですが、チーム名が企業名であることから分かるように、企業スポーツがそのままプロスポーツになっています。各チームには当然親会社としてチーム名となっている企業が存在します。また、親会社は子会社である各チームの支援を行っています。

 

日本のプロ野球が独特な点は、各チームは企業のチームであるはずなのに、同時に地域社会のチームとしても存在している点です。プロ野球の長い歴史が企業のチームと地域社会のチームの同一化を成し遂げたと思いますが、とても稀な例です。

 

普通に考えると、特定の企業のチームをその企業には所属していない人々が熱心に応援している姿はかなりの違和感があります。

 

次にJリーグの各チームですが、Jリーグの多くのクラブにその母体となった企業のチームがありますので、プロ野球のイメージが強い人は、その母体となった企業が親会社であると考えがちですが、それは違います。

そもそも根本的な考え方がJリーグとプロ野球では違います。

その違いとは、日本のプロ野球が企業のチームであることを前提にしているのに対して、Jリーグは地域社会のチームであることを前提にしていることです。

日本のプロ野球は長い歴史によって企業のチームと地域社会のチームが同一化していますが、あくまでも特定の企業のチームです。

一方で、Jリーグのチームはその成り立ちからして、あくまでも地域社会のチームです。それはJリーグを管理運営する公益社団法人日本プロサッカーリーグが定める「Jリーグ規約」に明示されています。

 

「Jリーグ規約」から抜粋

第21条〔Jクラブのホームタウン(本拠地)〕

  1. Jクラブは、理事会の承認を得て特定の市町村をホームタウンとして定めなければならない。
  2. Jクラブはホームタウンにおいて、地域社会と一体となったクラブ作り(社会貢献活動)を行い、サッカーをはじめとするスポーツの普及および振興に努めなければならない。

 

日本ではプロ野球が一般的な例であるかのように取り扱われるために、Jリーグもプロ野球と同様に考えようとする傾向がありますが、その傾向こそがJリーグの各クラブの親会社に対する誤解の根本原因です。

日本のプロ野球は世界的に見ても極めて特殊な例ですので、参考にならないです。ガラケーと同じように日本国内の一定の条件のもとでは評価が高いが、海外では通用しない、そうゆう種類のものです。

Jリーグの各クラブの親会社は?

Jリーグが地域社会のチームであることは前述した通りですので、Jリーグでは親会社という言葉は馴染まないです。その意味ではJリーグの各クラブには親会社は存在しないと言えます。

 

一方で、Jリーグの各チームの運営母体は株式会社の形態を取っていますので、法律上の親会社が存在するチームはあります。法律上の親会社とは運営母体である株式会社の株を50%超保有している会社です。

 

但し、J1の18チームの中で法律上の親会社が存在するチームはわずか5チームだけです。

 

どのチームであるか想像がつきますか?

 

その5チームとは以下の5チームです。括弧内は(企業名、株式の保有割合)です。

 

①ヴィッセル神戸(楽天、100%)

②柏レイソル(日立製作所、約100%)

③大宮アルディージャ(NTTグループ、約100%)

④横浜Fマリノス(日産自動車、74%)

⑤ガンバ大阪(パナソニック、70%)

 

上記の5チームは、形式上は企業のチームとの見方もできますが、あくまでも地域社会のチームです。

地域社会のチームだからこそ、その地域社会に関わる多くの企業や団体からスポンサーを募ることができます。また企業によっては、社会貢献活動の一環としてスポンサーとなっている企業もあると思います。

もし特定の企業のチームだと考えると、他の企業がその特定の企業のスポンサーであるという構図になるので、社会貢献活動にはならないです。また、地方公共団体等からの支援も特定の企業に対するものとなるので、批判の対象になる可能性があります。

したがって、上記の5チームの親会社は、自らが親会社であることを積極的に公表していないです。

 

親会社の株式の保有割合が100%(もしくは約100%)の3チームの共通点

最後におまけのトピックです。

先程の5チームの中に、親会社の株式の保有割合が100%もしくは約100%のチームが3チームありました。その3チームにはある共通点があります。

何だと思いますか?

答えは運営母体の法人名に企業名を入れていることです。

3チームの法人名は以下となります。

①ヴィッセル神戸

⇒ 楽天フットボールクラブ株式会社

②柏レイソル

⇒ 株式会社日立柏レイソル

③大宮アルディージャ

⇒ エヌ・ティ・ティ・スポーツコミュニティ株式会社

Jリーグのチームは地域社会のチームであるので、運営母体にも企業名を入れない方がスポンサーを集めやすいことを考えると、企業名を入れることに経営上のメリットはないです。

地域社会のチームであることを尊重する、つまりJリーグの理念を尊重するのであれば、法人名を変更すべきです。

 

まとめ

日本のプロ野球が企業のチームであるのに対して、Jリーグは地域社会のチームである。法律上の親会社が存在するチームもあるが、J1の18チームではわずか5チームだけである。

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