Jリーグをビジネスの視点で考えていく上で、対象であるJリーグがどのような性質の組織であるかを理解することは非常に大切です。
特に設立の目的はJリーグの存在意義となりますので、Jリーグのビジネスを語る上でも押さえておくべき内容となります。
そこで、まずは日本のプロサッカーリーグとして知られている「Jリーグ」はどのような組織なのかを理解していきます。
サッカーではなくフットボール?
Jリーグの正式名は「日本プロサッカーリーグ」。
英文表記だと、「JAPAN PROFESSIONAL FOOTBALL LEAGUE」です。
日本語表記は「サッカー」ですが、英文表記は「FOOTBALL」となっているのが特徴です。
日本では「サッカー」という言葉が浸透していますが、国際的には「FOOTBALL」という言葉が一般的なので、英文表記は「FOOTBALL」にしています。
ワールドカップを主催する国際サッカー連盟であるFIFAの正式名称は「FEDERATION INTERNATIONALE DE FOOTBALL ASSOCIATION」ですので、こちらでも国際的には「FOOTBALL」と呼ばれていることが分かります。
何をする組織なのか?
組織形態ですが、日本プロサッカーリーグは公益社団法人です。
公益社団法人とは「公益事業を主に目的としている法人」となります。
公益事業とは「公衆の日常生活に欠くことのできない事業」のことです。
公益社団法人を設立するにはまず「一般社団法人」として会社を設立していることが条件となります。
その一般社団法人ですが、一般社団法人とは、2人以上の社員によって設立できる営利を目的としない非営利法人です。
一定の手続き及び登記さえすれば、誰でも設立できます。 また、設立後も行政からの監督・指導がなく、非営利法人であるが事業は公益目的に制限されず、収益事業や共益事業も行うことができます。
この一般社団法人が、国や都道府県に対して「公益認定申請」を行ない、受理されることによって公益社団法人が設立できます。
したがって、日本プロサッカーリーグが公益社団法人を選択したのは、サッカーを公衆の日常生活に欠くことができないものと位置付けたからです。
プロ野球を管轄する日本野球機構は一般社団法人ですので、事業は必ずしも公益目的に制限されません。
日本の2大プロスポーツであるプロサッカーとプロ野球では、社会における組織の存在の位置付けが異なるということは興味深い点です。
Jリーグの設立趣旨
Jリーグは公益社団法人の法人形態ですので、設立の目的も社会の公益に資する内容となっています。
設立趣旨に記載している目的は以下の3点です。
①豊かなスポーツ文化の振興
②国民の心身の健全な発達に寄与
③国際社会における交流及び親善に貢献
設立趣旨の本文はこちらです。
<設立趣旨>
公益社団法人 日本プロサッカーリーグ定款よりこの法人は、公益財団法人 日本サッカー協会の傘下団体として、プロサッカー(この法人の正会員となった団体に所属するサッカーチームが業務として行うサッカーをいう。以下同じ)を通じて日本サッカーの水準向上及びサッカーの普及を図ることにより、豊かなスポーツ文化の振興及び国民の心身の健全な発達に寄与するとともに、国際社会における交流及び親善に貢献することを目的とする。
※Jリーグ公式HPより抜粋
まとめ
Jリーグは公益社団法人であり、設立趣旨はプロサッカーを通じた社会貢献